仮想通貨FXの複雑なレバレッジ に関する整理【1記事に全集約しました】

仮想通貨FX_レバレッジ

仮想通貨FXのレバレッジが分からない人
仮想通貨FXってどれくらいのレバレッジ で取引できるの?通常のFXと比べてレバレッジは高い?それとも低い?法律的観点からも、こういった事情を知っておきたい。

本記事ではこのような疑問に答えていきます。

本記事を読んで得られるもの
本記事では法律的観点を交えて、限りなく網羅的にレバレッジに関する知識をまとめました。なので、これ1記事のみでレバレッジに関する疑問を全て解消できます。

「まだ、仮想通貨FXの理解が浅い…」と言う方は、まず仮想通貨FXって知ってますか?【ステマ無し】を見ていただければ幸いです。基本のキをまとめてます。

なお、1日かけて本気でまとめたため、長文な箇所もありますが、ご容赦ください。逆にいえば、必要不可欠な情報が詰め込まれたコンテンツになってます。

本記事の内容
  • 仮想通貨FXのレバレッジにおける法律的整理
  • 「通常のFX」と「仮想通貨FX」の違い
  • 【国内と海外で差がある】大手業者ごとのレバレッジ比較

仮想通貨FXのレバレッジにおける法律的整理

仮想通貨FXのレバレッジにおける法律的整理

最初に、結論をまとめておきます。

  • 【日本国内】通常のFXのレバレッジ:25倍
  • 【日本国内】仮想通貨FXのレバレッジ:4倍
  • 【海外】通常のFXのレバレッジ:制限なし
  • 【海外】仮想通貨FXのレバレッジ:制限なし

しかし大事なのは、結論より経緯、理由のところです。

ではでは、ここから詳細に法律的整理をしていきます。

 

日本国内におけるFXのレバレッジ制限について

まず、日本国内におけるFXのレバレッジに関するお話です。

通常のFXの場合

まず知っておいて欲しいのは、日本国内ではレバレッジ が法律で制限されていることです。表向きは「ギャンブル投資」を禁止するためですが、その裏には「投資家保護」という名目があります。

コロナショックが、FX市場に多大な影響を及ぼしたのは記憶に新しいですが、こうした相場の旧変動においてシステム上のロスカットが機能せず、投資家が思わぬマイナスを抱える場合があります。例えば口座残高がマイナス1万円になった場合は、この1万円を補填しなければなりません。そしてレバレッジ が大きいほど、このマイナスの額も大きくなります。マイナス1万円のはずが、レバレッジ400倍をかけた場合、マイナス400万円になるのです。そしてFXが普及した当初はこうしたリスクから、投資家を保護する仕組みがありませんでした。

いわば、多くの客を乗せる船でありながらも、非常に脆い作りで、沈没した際の緊急避難ボートなども一切備えていない状態でした。つまりは沈没しやすい上、沈没したら全員生き残る見込みはないということです。そういった事態を誰もが予見する中、FX界にとって恐ろしい事件が実際に起きてしまいました。

それが2008年のリーマンショックです。当時日本国内のFX業者のレバレッジは400倍がスタンダードだったため、マイナスに耐えきれず多くの破産者を出しました。※さらに、FXの損失で自己破産することは基本的に不可能なので、自己破産すらできずマジで露頭に迷う人も少なくなかったとか…恐ろしい

タイタニックも真っ青な沈没事故です。誇張ではなく、死者も出たと言われています。そしてここまで来てようやく、日本政府はFXのレバレッジ規制を始めます。

まず、日本の金融庁は2008年に「レバレッジ を50倍に規制する」方針を発表しました。そして立て続けに、翌2009年「レバレッジを25倍に規制する」ことを発表し、日本国内においてハイレバトレードは法律的に禁止されました。

政府は恐ろしい歴史から「ルールなしはヤバい」と学んだわけですね。

こうして歴史を振り返ると「日本国内におけるレバレッジ規制」の裏には投資家保護という目的が透けて見えてきますね。

仮想通貨FXの場合

しかし一方で、仮想通貨FXのレバレッジは2020年現在も法律で制限されていません。

でも、あんな事件から学んでないのか!!というわけでもありません。実は仮想通貨FXのレバレッジは法律ではなく、自主規制ルールによって定められています。

つまりJVCEAという自主規制団体が、日本国内における仮想通貨取引所の自主規制ルールを定め、各業者はそのルールに則って運営されているわけです。

ちなみに、自主規制団体とは、法律でカバーしきれない細かい部分を補佐するルールを定めたり、違反者を監視する団体といったもの。イメージは「法の番人」ならぬ、「業界の番人」といったところでしょうか。。。

話を戻すと、JVCEAによって仮想通貨FXの最大レバレッジは4倍に制限されています。

加えて、日本政府はようやく仮想通貨FXのレバレッジ も法律で規制する方向に動き始めています。2020年春に施行となる改正金融商品取引法の内閣府令で規定する予定みたい。

そしてレバレッジを4倍→2倍へと制限する方針を示しています。

う〜ん2倍って、、、もはやレバレッジの意味あるのか謎ですが、本気ならトレーダーの海外流出が進みそうですね。

とゆーわけで、国内におけるFXの法律的整理はここでおしまいです!FX→25倍、仮想通貨FX→4倍ということだけ覚えておいてください。

ではでは、ここから海外におけるレバレッジ制限について解説していきますね!

 

海外におけるFXのレバレッジ制限について

次に、海外におけるFXのレバレッジに関するお話です。

通常のFXの場合

皆さんご存知の通り、海外FXにレバレッジ制限というものは存在しません。

ただこれは「投資家保護」という名目を無視した結果ではありません。実はですね、考えようによっては海外FXの方が立派に投資家保護のため尽力しています。

なぜなら、海外FXにおいて、投資家がマイナス残高を抱える可能性はゼロだからです。

どういうことか?先程の例で説明します。

例えばコロナショックでシステム上のロスカットが間に合わず1万円のマイナス残高を抱えたとします。レバレッジ1000倍をかけていたので、実質1000万円のマイナスでした。国内FXの場合はこの1000万円を自己負担する必要がありました。これは、絶望以外の何者でもないですね。ただし、海外FXの場合はこの1000万円はFX業者が負担するルールになっています。僕たちは一円も支払う必要はありません。

つまりトレーダーが抱えたマイナス残高をFX業者が負担する仕組み、いわゆる「ゼロカット制度」が海外FXではスタンダードです。

こうして、海外FXでは「投資家保護」を実現しているわけですね。

要は「ハイレバレッジ ながらも借金は絶対に抱えない」のが海外FXの特徴です。

ちなみに残念ながら国内FXはゼロカット制度を採用できません。悲しいことに「追証制度」が法律で義務付けられているからです。追証制度とは、つまるところトレーダーがマイナス残高を負担する仕組みですね。

このようなわけで国内FXと海外FXでは「投資家保護」に対するアプローチが違うわけです。巷では「レバレッジの高い海外FXはキケン」だとか「ゼロカット制度のない国内FXはキケン」だとか言われますが、どちらも同じ指標で考えていること自体が間違い。はじめから一概に両者を比較することはできないのです。

つまりは、「自分にとってどちらがフィットするか」が重要ということですね。

話を戻して、次は仮想通貨FXの話に移ります。

仮想通貨FXの場合

通常のFX同様、海外における仮想通貨FXにはレバレッジ制限はありません。

ですが実際に両者をやってみると「仮想通貨FXの方がレバレッジが小さい」ことがわかります。では、少しこの理由を考察してみます。ここから、ちょっと難しい話になります。

  • 為替と比較して仮想通貨の流動性が低い
  • 為替と比較して仮想通貨のボラティリティが高い

①についてはFXのシステム上の問題。小難しいので簡潔に説明します。FX業者はトレーダーが買い注文を出した場合、当然「売りたい人」を探して、トレーダーの買い注文とマッチングさせる必要があります。つまり、トレーダーが通貨を買えるのは「売りたい人」がいるからですね。

裏を返せば、「売りたい人」がいなければ、買うことは100%できません。そういった意味で仮想通貨市場には十分に「売りたい人」が存在しないことが推察されます。

よって「100万円分ビットコイン を買いたい」と要望を出しても「100万円分売りたい人がいない」という状態なのではないかというのが、一つ目の考察です。つまり、需要と共有のバランス上、レバレッジを落とさざるを得なかったのではないでしょうか。

あ②は単純に「ギャンブルで勝てちゃう問題」です。FXでも指標発表時にハイレバトレードを禁止する業者は多いですよね。それと同様にボラティリティが大きいと、短期で大きな勝ちを拾われ、業者側には苦しい状況になります。

特に海外FXは「ゼロカット制度」がある特性上、負けても損失は5万、勝てば10万円みたいな状況を簡単に作り出せるわけです。大きなボラティリティを利用すると、みんなが「割りの良すぎるギャンブル」をしてしまうはず。こういった事態を防ぐためにレバレッジを低めにしているのではないか、これが二つ目の考察です。つまりは、仮想通貨FX取引所が利益を上げていくため、レバレッジを落とさざるを得なかったのではないでしょうか。

と、海外の仮想通貨FXについてのレバレッジについては、ここでおしまいです。キーワードは①レバレッジ制限なし②ゼロカット制度の2つだけ、これだけでも覚えていただければ本記事を読んだ時間の元は取れています。

 

【国内と海外で差がある】大手業者ごとのレバレッジ比較

【国内と海外で差がある】大手業者ごとのレバレッジ比較

では最後に、仮想通貨FX取引所の国内と海外の大手業者を比較してみます。

国内の大手仮想通貨FX取引所
  • bitFlyer:最大レバレッジ4倍
  • GMOコイン:最大レバレッジ4倍
  • DMM Bitcoin:最大レバレッジ4倍
海外の大手仮想通貨FX取引所
  • Bybit:最大レバレッジ100倍
  • CryptGT:最大レバレッジ500倍
  • BINANCE:最大レバレッジ125倍

ご覧の通り、わりと歴然とした差があります。

この理由は先ほど述べたように「投資家保護のアプローチが異なるから」ですね。

どちらが一概に良いとはいえないので、ご自身のやりたい投資にあった取引所を見つけてみてください!

 

まとめ:決める前に、知識を蓄えましょう

最後に、国内海外における仮想通貨FXのレバレッジを整理しておきます。

  • 【国内】仮想通貨FXのレバレッジ:自主規制ルールで4倍
  • 【海外】仮想通貨FXのレバレッジ:制限なし
  • 【投資家保護の方法】国内→レバレッジ制限、海外→ゼロカット制度

こういった感じ。仮想通貨FXの取引所に迷っていた方、これで十分な知識になったと思って良いです。

ぜひぜひ、楽しみつつちょこっと投資に足を踏み入れてみてください。
何かご意見・ご質問、ご感想ありましたらコメントでどうぞ〜。

今回はちょっとコラムっぽさも入ってしまい長文となりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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