『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』【まとめ】

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日本は、世界でも指折りのしあわせな国だ。WHOの統計によれば、ほかのどの国よりも平均寿命が長い。所得や人工、環境の質など、世界の国のランキングには様々なものがあるが、平均寿命という極めて重要な基準で日本は世界のトップに立っている。100歳以上の人は、すでに6万1000人以上。今後100歳を超えている人はもっと珍しくなくなる。

すなわち、今この文章を読んでいる50歳未満の日本人は100年以上生きる時代、すなわち100年ライフを過ごすつもりでいた方がいい。

 

人が長く生きるようになれば、職業生活に関する考え方も変えざるを得ない。人生が短かった時代は「教育→仕事→引退」という古い3ステージの生き方で問題なかった。しかし寿命が延びれば、二番目の「仕事」のステージが長くなる。引退年齢が70~80歳になり、長い期間働くようになるのである。

多くの人は、思っていたより20年も長く働かなくてはいけないと想像しただけでぞっとするだろう。不安もわいてくる。そうした不安に突き動かされて、3ステージの生き方が当たり前だった時代は終わりを迎える。人々は、生涯にもっと多くのステージを経験するようになるのだ。

 

昔ながらの標準的な生き方を尊重し、伝統を大切にする日本では、本書の提案を実行に移すことが難しく感じられる場合もあるかもしれない。しかし、長寿化の恩恵を最大限受けるためには、新しいことを試みるパイオニアたちをもっと評価し、そういう人たちにもっと報いる社会にしていく必要がある。

誰もが変化して100年ライフに適応すると同時に、伝統的な価値観も大切にするという、バランスをうまく取らなくてはならない。